僕の実家は山形県にあり、東京に向けて出荷する果物を栽培して生計を立てています。将来は僕もその仕事を引き継くことになると決まっているのですが、その前に大学は卒業しておこうということで、現在はこちらで一人暮らしをしています。
大学を受験する際、およぶ一人暮らしをする建前として、「実際に東京に住んでみて、そこでの生活を体験して消費者心理を理解する」という理屈付けをして、何とか両親にこちらに出てくることを了解してもらった僕ですが、一応この目的を忘れることなく日々生活しているつもりです。
「こちらで果物が売られているお店は、実際にどのようなところか?」や、「売り場ではどんなディスプレイがされているか?」など、大学に通いながらバイトをする傍ら、その帰り道に自炊の食材を購入する際など、色々と自分の将来を見据えて食料品売り場を見学しています。
さて、その中で僕の目を引いたのが、「どんなお店も基本的には『フロートガラス』と呼ばれる類の透明度の高い素材で売り場を作っている」ということでした。この「フロートガラス」、あまり聞きなれない呼び方で戸惑うかもしれませんが、要するに「一般的によく目にする透明ガラス」のことです。僕も最初はこのことが分からず、所属しているDIYサークルの先輩に「フロートガラスって透明ですか?」などと、今思えば的外れな質問をしてしまったことがあります。
このガラス、「強化ガラス」や「防音ガラス」の元にもなっていて、非常に加工がしやすい素材として有用です。以前、うちのサークルの部室の窓ガラスが壊れた折も、先輩の一人がこのフロートガラスをホームセンターで仕入れてきて自分で加工し、破損個所を修理していました。